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家族や友人に、気になる症状があったら ~脳神経内科の受診を勧めたいときとは~

 監修:東京大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 戸田 達史 先生

脳や神経の病気では、体の様々な部位に異変が生じる可能性があり、症状も「ふらつき」「しびれ」「見づらい」「物忘れ」など多様です。こうした症状が現れたときに、症状を引き起こしているのは何かを見極めるのが脳神経内科です。
しかし「まず脳神経内科に行ってみよう」と思いつく方は多くないようです。家族や友人に以下のような様子がみられたときは、脳や神経の病気かもしれませんので、脳神経内科の受診をお勧めしてみてください。

※「神経内科」と掲げている医療機関もあります。


「ふらつく」「見づらそうにしている」「まぶたが下がっている」
などの様子がみられたら、脳や神経の病気かもしれません

家族や友人に、「ふらつく」「見づらそうにしている」などの以下のような様子がみられたら、脳や神経の病気も考えられます。
該当する場合には、その方に脳神経内科の受診をお勧めいただくとよいでしょう。

脳神経内科の受診を勧めたい、家族や友人の様子
◆脳神経内科の受診を勧めたい、家族や友人の様子
  • ふらつく
  • 見づらそうにしていたり、「よく見えない」と訴えたりする
  • 力が入らないようだ
  • しびれがあるようだ
  • まぶたが下がっている
  • 疲れやすいようだ
  • ろれつが回らない

特に高齢の方では
「体が傾く」「動きがゆっくり」などにも注意を

特に高齢の方では、脳や神経の病気があるときに「体が傾いている」「動きがいつもよりゆっくりになった」「約束の時間に遅れるようになった」などの変化がよくみられます。
以下のようなときには、脳神経内科の受診をお勧めしてみてください。

◆特に高齢の方で注意したい症状
◆特に高齢の方で注意したい症状
  • 体が傾いている
  • 動きがいつもよりゆっくりになった
  • ふるえがみられる
  • 話し方が変わった(遅くなった、声が小さくなった、電話で声が聞き取りにくくなったなど)
  • 約束の時間に来なかったり、ダブルブッキングしたりする
  • 視野の片側が見えていないようだ(茶碗が左側に置いてあるのに、見えないので「ご飯がない」と訴えるなど)

「通院しているのに悪化する」「頭痛が長期間続く」といったときにも、脳神経内科へ
例えば手足にしびれがある方は、一般的に整形外科で受診しようと考えられると思います。
しかし、手足のしびれを含む上記のような多様な症状を診て、原因を探すことが脳神経内科でもできます。

脳神経内科を最初に受診しても、もちろん問題ありません。
症状の原因となる病気が分かったら、必要に応じて他の診療科を紹介してもらえます。

「ふらつく、体が傾くなど、上述のような症状で通院しているのに少しずつ悪化している気がする」
「整形外科で手術を受けたのに悪化する」「頭痛が長期間続く」といった、
どの診療科に行ったらよいか判断に困るようなときにも、脳神経内科にご相談ください。


脳神経内科の受診時には
脳神経内科を受診する時は、症状が現れた時期や進行の速度といった経過についての情報が重要になります。
経過のほか、以下のような内容もあらかじめメモしておくと、スムーズに医師に伝えることができます。

◆脳神経内科の受診にあたって、メモしておくと役立つ内容
◆脳神経内科の受診にあたって、
メモしておくと役立つ内容
[症状の経過]
  • 症状が現れ始めた時期
  • 症状はどのくらいの時間をかけて、どの程度悪くなったか
  • 症状は悪くなる一方か、それともよくなったり悪くなったりするか
[その他、以下のような点に異変がみられる場合は医師に伝えましょう]
  • 歩き方
  • 姿勢(体の傾きの有無)
  • 話し方
  • 物忘れ
  • 飲み込み方(よくむせている、など)